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三条市長日記」時代にも不定期に投稿していた読書感想文をこのブログでも試みてみようかと思いまして…

その第一弾となるのがこちら。

高松平蔵さんの「ドイツの学校にはなぜ「部活」がないのか」です。

高松さんは、三条市長としてスマートウェルネスシティ構想の具現化に試行錯誤していた頃にお会いしたドイツの地方都市エアランゲン在住のジャーナリストです。

正直申し上げると、ジャーナリストの皆さんが書かれるものは往々にして「木を見て森を見ず」的発想のものが多く苦手なのですが、高松さんのそれは(大変失礼ながら高松さんご本人の考え方も)それらとは対照的にいつも俯瞰的で、個別事象であっても、そこから冷静に普遍的構図を抽出しようと試みているので、本当に参考になります(政策を練り上げていく上で、比較対象があるのは本当に重要。でも、外国との比較をする場合、比較分析している方の価値観が私と合っていなければ、少なくとも私にとっては意味のあるものになりません。そういう意味で、高松さんは私にとって稀有な存在なのです)。

で、読んだ感想なのですが…

本当に参考になりました!

敢えて批判的に申し上げれば、何故こんなに狭い分野のタイトルにしてしまったのだろうか…これでは、読者が教育や部活、スポーツに関心のある方しかこの本を手にしないのではないか…と、そんなことまで気にしてしまうくらいに、個人と社会との関係、コミュニティの個人(及び社会)に対する寄与度、個人(及び社会)の政治行政に対する捉え方(≒地方分権の成り立ち)などが随所に散りばめられた、何らかの社会的活動に携わっている方々には是非読んでいただきたい、良質な一冊です。

願わくば、ズバリ「地方都市(高松さん曰く、ドイツにはそのような概念は成立しにくく、単なる「都市」のようですが…)」そのものについて、、とりわけ個人と社会の関係性について、を都市における様々な切り口から論じていただきたいなと思っています。

いずれにしても…

おススメの一冊です!