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三条市長時代から国土交通省の水資源・国土保全局(より正確に申し上げると旧河川局)の方々とは親しくお付き合いさせていただいていたのですが、そんな彼ら彼女らが三条市を訪問する際に「どうしても行きたい」と珍しく自己主張してまで熱望する訪問希望先があります。

それが大河津分水路旧可動堰の脇にある補修工事竣工記念碑。

この碑には、大河津分水路の工事を主導した青山士公の言葉「萬象ニ天意ヲ覚ル者ハ幸ナリ」「人類ノ為メ國ノ為メ」が刻まれているのですが、これを一度はこの目で直接見てみたいというのです。

この青山士公がいかに河川技術官僚にとって敬愛すべき方なのかは、この碑に触れた時の彼ら彼女らの目の輝き、そして奔り出る饒舌さで容易に想像が付きます。

今回久々にこの碑を訪れたのですが、1人ひとりの人権が必ずしも今ほど大切にされていなかった帝国時代に、「國ノ為メ人類ノ為メ」ではなく、敢えて「人類ノ為メ國ノ為メ」と刻んでいるところに、河川技術官僚が心得るべき鑑というか、矜持が青山士公にあるのかもしれません。

もちろん、この心構えは私たち国民全体の奉仕者全員に等しく求められるものです。

改めて、心に刻む機会を頂きました。

ちなみに、この碑の礎石は通水後僅か5年にして陥没した自在堰を移設して使っております。

当時の内務省にとって極めて不名誉な自在堰の部材を碑の礎石とすることで、様々な事象一切から目を逸らすのではなく正面から受け止めようとする公の姿勢が窺えますよね。

いつでも参観可能ですので、是非是非訪れてくださいませ。