
先日、環境大臣政務官として、対馬に公務出張してまいりました。
出張の目的は、近年更に深刻化している海洋プラスチック漂着物の現況をこの目で確かめるとともに、その回収、分別、処理を最前線で取り組んでいただいている対馬市さんと意見交換するためです。
今回の出張は政務官としての公務は受け身であることを旨としたい私にとっては珍しく自ら申し出たものでした。
何故ならば、昨年のG7広島サミットにおいて「2040年までに追加的なプラスチック汚染をゼロにする」という極めて野心的な目標に合意をし、本年中にはプラスチック汚染に関する法的拘束力のある国際文書(条約)の策定作業を終わらせるという国際的にも正念場を迎えている今こそ、我が国における海洋プラスチック漂着物の象徴の場ともいうべき対馬の現況を何としてもこの目で確かめたかったからです。
それにしても、何故対馬なのか⁉︎
これには海流の影響があります。
日本海には対馬海流が流れ込むのですが、その入口に蓋をするような形で横たわっているのが対馬であり、この対馬の西海岸が日本海に流入しかねない海洋プラスチックごみの防波堤の役割を図らずも果たしてしまっているからです。
実際のところ、環境省が持つ海岸漂着物等地域対策推進事業費補助金の実に1割以上を対馬市さんに活用いただかなければならない状況となっております。
さて…
初めて訪れた対馬の西海岸は想像以上でした。
対馬の地形の性格上、海岸への取付道路が非常に少ない上、鹿の増殖による土砂崩れによる当該道路の機能不全が重なり、海洋プラスチック漂着物の回収が困難となっている様子など、やはり百聞は一見に如かずの状況で思わず天を仰ぎたくなります…
でも、天を仰いでいるだけでは何も始まりません。
幸いなことに、比田勝市長さんを始めとする対馬市の皆さんがこの海洋プラスチック漂着ゴミ対策に意欲的に取り組んでいただいております!
環境省も益々寄り添って全面支援していかなければなりませんが、現在対馬市さんが取り組んでいる幾つかを今後数日間順次紹介していきたいと思います。