
先日、伊藤大臣、滝沢副大臣とともに、福島第一原発周辺(大熊町、双葉町)に立地する中間貯蔵施設を視察してまいりました。
この中間貯蔵施設は、福島第一原発事故による福島県内の除染作業で生じた除去土壌や除去廃棄物、そして放射性物質であるセシウム濃度10万ベクレル/kgの特定廃棄物を一時的に保管する施設です。
中間貯蔵施設に一時的に収集された除去土壌等は可能な限り減容(放射性セシウムの半減期は30年)や再生利用を図った上で2045年までに福島県外で最終処分することが法律で定められております。
で、実際に中間貯蔵施設の敷地内に入ってみたのですが、そこには感情を強く揺さぶられる光景が広がっておりまして…
私たちは一般的に「施設」という言葉を聞くと、何かしらの人工構造物を思い起こすのではないかと思うのですが、ここ中間貯蔵施設はそのイメージとは全くといっていいほど異なります。
もちろん除去土壌等の保管エリアは厳重な安全管理のための造作が施されているのですが、渋谷区に匹敵する広大な敷地の大半は「あのとき」のまま時間が止まっているのです。
家の中も、福祉施設の中も、売店も、バス停も、何もかも「あのとき」のまま…
そして、恐らく多くの方々が「数日の避難生活の後に一時帰宅できるだろう」との思いの中、慌ただしくその場を立ち去った「その姿」のままで…
あれから12年半…
多くの地域住民の皆様が深く重い葛藤を乗り越え、戻れぬままに、中間貯蔵施設の受入れについて苦渋の決断をしていただくようになっております。
あの現場に立ち、その心中を察すると、胸が張り裂けそうになります。
私たちは苦渋の決断をしていただいた地域住民お一人おひとりのためにも、しっかりと最終処分に向けた道のりを一歩一歩着実に前進させていかなければなりません。
こんな自らへの決意を改めて確認できる極めて意義深い視察となりました。