2025年07月
赤澤大臣に閣僚全員からの拍手

先ほど官邸で行われた「米国の関税措置に関する総合対策本部」。
誤解を恐れずに申し上げれば、官邸での会議の多くは「各省庁の最高責任者である大臣が出席の上での合意或いは意思決定」「出席大臣に対する総理指示」が目的であるため、形式的に淡々と行われるものですが、今回は違いました。
まず、会議に先立ち、赤澤大臣が入室すると、閣僚の皆さんからの温かい拍手と労いの言葉の数々。
そして、照れる赤澤大臣(失礼)。
普段は見られない、全体を包み込む和やかな会話が続きます。
会議でのプレスを前にした総理発言も後半は原稿なしでの自らの言葉での労い。
実に誇らしい、いい体験をさせていただきました。
さて、最後に農作物を巡って、ミスリードに繋がりかねない各紙の見出しが散見されるため、総理会見の抜粋を添付します。
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防衛装備品及び米輸入についてでございますが、これらの点について、日米に齟齬はございません。
それは官房長官も会見で申し上げたとおりのところでございますし、赤澤大臣からも説明をいたしておるところでございます。
特に、米について申し上げておけばですね、今回の合意には、農産品を含めまして、日本側の関税を引き下げるということは全く含まれておりません。それは、赤澤大臣が説明をしたとおりでございます。
政府といたしましては、既存の制度、すなわちミニマム・アクセス米の制度でございますが、既存の制度の枠内で、我が国の米の需給状況、これらも勘案しつつ、必要な米の調達を確保していくものでございます。
この考え方に基づきまして、アメリカに説明しておるものでございまして、農業を犠牲にするというようなことは全く考えておらないところでございます。
関税交渉決着

既に報じられているとおり、米国の関税措置に係る日米交渉が取り纏まりました。
トランプ関税措置交渉チームの一員として、まずは胸を撫で下ろしているところです。
以下、総理発言を引用しますが、株式市場を始め、今回の合意内容を市場は好意的に受け止めていると理解しております。
日を改めて、解説できればと思います(個人的には、予定していた南鳥島出張がキャンセルという憂き目に会いましたが、これもまた良き思い出ということで…)。
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今般、米国の関税措置に関する日米協議について、トランプ大統領との間で合意に至りました。その内容を申し上げます。まず、我が国の基幹産業である自動車及び自動車部品について、本年4月以降に課された25パーセントの追加関税率を半減し、既存の税率を含め15パーセントとすることで合意をいたしました。世界に先駆け、数量制限のない自動車・自動車部品関税の引下げを実現をすることができました。
続いて、相互関税について25パーセントまで引き上げるとされていた日本の関税率を15パーセントにとどめることができました。これは、対米貿易黒字を抱える国の中でこれまでで最も低い数字となるものであります。
さらに、半導体や医薬品といった経済安全保障上、重要な物資について、仮に将来、関税が課される際も我が国が他国に劣後する扱いとはならないと、こういう確約を得ております。
一方、日本企業による米国への投資を通じて、半導体、医薬品、鉄鋼、造船、重要鉱物、航空、エネルギー、自動車、AI(人工知能)・量子等、経済安全保障上、重要な分野について、日米が共に利益を得られる強靱(きょうじん)なサプライチェーンを構築していくため、日米で緊密に連携していくことで合意をいたしました。正に我が国の経済安全保障の観点から極めて重要な合意であると考えております。
今般の合意には、農産品を含め、日本側の関税を引き下げることは含まれておりません。



