先日も触れた循環経済について再び…
川上(動脈)から川下(静脈)まで資源が付加価値を生みつつも流れ下り、廃棄物となっていく、産業革命以降主流となった線形経済と異なり、川下に流れ着いた廃棄物を再資源化して再び川上に送り出す循環経済は、私たちが古来保っていた「いつか見た経済」であることは先日も触れたとおりです。
そんな循環経済の原風景といえば、農業分野ではないでしょうか…
かつて、稲藁や籾殻、クズ野菜などは藁葺き屋根などの材料として再利用されたほか、肥料や飼料として再び川上である農業生産過程そのものに活用されるなど、見事なまでに循環経済モデルが確立されていたのが農業でした。
ところが、例えば籾殻などは利活用先が段々と先細っていき、廃棄物化(=線形経済化)せざるを得ない状況に陥りがちとなり、籾殻ボイラーなど脱炭素に頼らざるを得ないところまで追い詰められた印象があったのですが、農業の現場を巡ってみると、まだまだ循環経済にチャレンジしようとしている方々が数多くいらっしゃるのです。
例えば、写真にある農事法人さん。
籾殻堆肥にチャレンジをし始め、既に軌道に乗りつつあります。
話を伺うと、ちょっとした工夫(でも、とても大切な工夫)で静脈から動脈に堆肥という形で再資源化できるのですね。
しかも、更に供給体制を拡大できるだけの潜在需要を既に掴んでいるというのですから、頼もしいではありませんか!
惜しむらくは、こうした法人さんに財政的後押しを現時点ででき得るのは農林水産省であって、環境省ではないということ…
循環経済モデルの確立という点に着目して、他省庁を含めた同一目的に寄与する財政支援制度をメニュー化して優先採択する仕組みづくりをすることはできないかなどなど、まだまだ環境省にできそうなことはありそうです。
少し思案を重ねてみたいと思います。