副大臣、政務官の公職に就くと、在京当番という「仕事」が待っています。
これは、副大臣、政務官が輪番制を取り、必ず誰か1人(在京当番に当たる者)が深刻な事態(想定される主なものは例えば東日本大震災のような自然災害)が発生した際、速やかに当該省庁に駆け付け、大臣を補佐し、或いは首相官邸に張り付かなければならない大臣の命を受け、当該省庁の留守を預かる、その備えを一瞬たりとも途絶えることなく続けるというもの。
つまり、在京当番という「仕事」は、万が一の事態に備え、当該省庁(私であれば環境省)に1時間以内に駆け付けることができる範囲に居続けることそのものということになります。
で、少なくとも環境省の在京当番は20時から翌20時までの24時間。この24時間は環境省から1時間以内の場所に居続けなければなりません。
では、この在京当番の時間帯はどうやって過ごすのか?
これは人によって異なると思いますが、ここでは私の基本的考え方をご紹介したいと思います。
市長時代は具体的な公務日程が入っていようがいまいが、いわゆる勤務時間中(市長には、国会議員同様、或いは企業の役員同様、勤務時間という概念はありませんが…)は市長室に極力居続けるように心掛けていました(逆に勤務時間外は速やかに退庁しただけでなく、仕事を思いついても翌朝まで仕事を振るのを我慢していました)。
それは、行政執行権を持つ最高責任者である以上、何らかの事務事業遂行上の意思決定を下す必要がいつ何時訪れるか分からないからです。
他方、政務官は、先日も紹介したとおり、最高責任者であり、最終意思決定権者である大臣をお支えする立場であり、(曖昧な運用なものの)スタッフ職にしか過ぎません。
政務官就任以来、幾つか仕事を仕込み始めているのですが(形が見え始めましたら、随時紹介してまいります)、それとて毎日政務官室に足を運び、あれこれ指図するような性格のものではありません。
もとより、「省庁の盲腸である」と揶揄された政務次官の系譜を踏む政務官という職責を自嘲する気は全くありませんし、大役を誇りを持って臨んでおりますが、それを形で示そうと、毎日政務官室に足を運ぶという空回りぶりを発揮してしまいますと、ただでさえ多忙な省員をさらに疲弊させることにしかならないことは、過去官僚として充分認識しているため、それだけは厳に慎むようにしております。
一方、議員会館は議員会館で、具体的な政務日程が入っていなければ、基本的には議員本人がいない方がいい前提でルーティンが組み立てられているので、こちらはこちらで無理に通うことを厳に慎むようにしております。
というわけで、私にとって在京当番は政務、公務が入らない限り、環境省にも、議員会館にも、自民党本部にも行かず、自己啓発の時間に当てるようにしています。
ちなみに、今日のお昼過ぎまでがまさにその状況!
本を読んだり、環境省所管の新宿御苑を観に行ったり、とにかく有意義な時間に変貌させてまいります。