地域金融機関の覚悟と役割

愛媛県への公務出張の続きを…
大洲城といえば、1泊120万円でお殿様(お姫様)気分で天守閣に泊まれることで有名ですが、まちづくりに取り組んでいる方々にとってはそれは販売促進の一環に過ぎず、メインは空き家が急増する旧城下町において、空き家を高級宿泊施設にリノベして価値を再生させた上で賑わいを取り戻すというのが主戦場となっております。
話を伺っていると、地域まちづくり会社と行政、そして高級宿泊施設に通暁しているホテル運営会社との見事なまでの適切な役割分担(そして情熱!)が成功を導き出したことがよく分かるのですが、それに加えてもう1つ欠かすことのできないプレイヤーの存在を触れないわけにはいきません。
それは地域金融機関(この場合では伊予銀行)。
事業を起こすには初期投資が必要となります。
しかも、かなりまとまった投資額が…
私たちもその負担が少しでも軽減できるように財政支援を行っているのですが、それでも投資全体に足る規模にはなりません。
そこで、地域金融機関に資金融資を仰ぐのですが、誤解を恐れずに申し上げれば、「スタートアップ」とか「地域貢献」とか耳障りの良い言葉とは裏腹に、その審査は前時代的で、金融機関側が一切のリスクを取ろうとはせず、事業計画が(初期投資さえクリアできれば)現実的なものであったとしても担保がなければ融資をしないというのが悲しい哉実態であります。
しかしながら、伊予銀行は違いました。
審査は難航したものの、「地域の夢を実現するために役に立つのが我々地域金融機関の務めだ」との当時の頭取の大英断で、融資が実現できたのだとか…
いやぁ〜、全国の地域金融機関にも見習ってもらいたいものですな…
このテーマで一番の収穫となりました。
完全自動運転を体験する

先週月曜日、国土交通大臣政務官として愛媛県にお邪魔してまいりました。
観光、治水、交通、空き家対策、まちづくりといった政策分野で、苦労、活動、活躍されている現場を丸1日で拝見させていただくという超過密スケジュールでありましたが、本当に実りある公務出張となりました。
拙ブログでも、その一端をご紹介してまいりたいと思います。
まずは自動運転バスの実装状況から。
そもそも自動運転とはその技術レベルに応じてレベルゼロからレベル5まで定義設定されているのですが、今回お邪魔したのは我が国初の「レベル4(特定条件下における完全自動運転)」での運用を開始した伊予鉄バスさん。
シートベルト着用可能な乗車定員以内の乗客数であれば完全自動運転による運行が実施されております(保安要員や介助要員、万が一の対応として、現段階では、二種免許保有者が同情しております)。
実際に乗車してみて全く不安を覚えることのない完全にシステム化された運行を確認できたことはもちろんだったのですが(一往復しましたが、保安員さんは一度もハンドルやアクセル、ブレーキを操作することはありませんでした!)、驚くべきことは本当に普通の「伊予鉄バス」として当たり前のように極めて自然に運行されていたこと!
運行路線は、広島との間の定期フェリーの玄関口である松山観光港と、松山市の中心地である松山市駅へのアクセス鉄路である伊予鉄道高浜駅とを結ぶ実ニーズが現に存在している重要路線であり、実際に15分間隔で運行されているのです。
一方、路線延長は1キロ弱と短く、交通量や道路形態とともに自動運転しやすい路線を設定しており、データの蓄積には過不足ない見事な路線設定です。
ここは見事ですな。
弥彦村でも新たな挑戦が始まりますので、私もお手伝いを引き続き行っていきたいと思います。