
ドイツの地方都市ゾーリンゲン。
かつては世界的に有名な刃物の街でありました。
そう、かつては…
私が三条市長に就任した直後、「是非とも、世界の刃物産地ゾーリンゲンを見てほしい」と三条の鍛治職人さんにお誘いを受け、同市に視察に訪れたときは既に、ものづくりのまちとしての断末魔の叫びを上げているようにしか感じられませんでした…
ゾーリンゲン市内で機械加工に委ねることなく、マイスター制度によって育てられた鍛治職人を有する会社は僅かに1社に過ぎず、しかもその会社にしたところで、鍛治職人さんは僅かに2人、しかも1人は70歳代後半、残り1人はまだティーンエイジャーでしたが、社長自ら「あの子はダメよ。もうすぐ辞めるから…」と嘆いていたのですから…(その後、本当にゾーリンゲンの名前は聞かれなくなりました。日本ではまだ名前が知られているヘンケルスもこのような実態のようです…)
でも、私には、そのとき目の当たりにしたゾーリンゲンの現実は明日の三条を見ているような気がして、決して他人事とは思えませんでした。
当時の三条市の鍛治職人さんはどこも軒並み後継者不足で希望の光を見出すことができなかったのですから…
それから、10数年。
「低価格競争からの脱却」に資するあらゆる挑戦を続け(その詳細はいずれまた…)、今では、国内外から本当に多くの鍛治職人になることを夢見る若者が集まるようになりました!
「増田切出工場」に弟子入りしたこちらの女性もそんな1人であります。
弟子入りしてまだ2ヶ月ちょっとの職人さんの卵ですが、何といっても希望に満ち溢れ、キラキラしているのが印象的!
彼女の輝くような笑顔を見ていると、「私たちは遂にものづくりの持続可能性を手に入れたんだなぁ…」としみじみ感じ入ります。
10数年前とは本当に隔世の感があるのですからっ!
でも、私たちの挑戦はまだまだ緒についたばかり。
本日工房にお邪魔させていただき、引き続きお手伝いできるように新たなる挑戦への決意を改めて固めることができました!




