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最近、テレビや新聞で取り沙汰されているものの1つが政府提出法案に不備があったというもの…

私も過去官僚時代、法改正チーム(霞が関用語では通称「タコ部屋」)に放り込まれ、潤沢な人材が次から次へと送り込まれる電気通信役務利用放送法制定チームを横目に、リーガルマインドのない(⁉︎)全員経済職採用の5人のチームで四苦八苦しながら、電波法改正(地上放送のデジタル関連法案)に取り組んだことがありました。

その頃の経験から照らし合わせば、法案ミスは俄かには信じられません。

とりわけ内閣法制局の注文の細かさとチェックの厳しさは超人レベルだったので、あのチェック網を潜り抜けることができたというのは、あの頃と構造的に劇的に変化した「何か」があったとしか思えません(例えば、凡ミスの典型例は送り仮名の不備なのですが、これを避けるため、最終の読み合わせチェックでは、例えば法文中における「繰り下げ」か「繰下げ」かの表記ミス回避のため、「繰(そう)り下(げ)げ」と発音し、送り仮名の「り」が法案に明記されていることを確認し合います)。

その上で…

今回の野党の反発、審議拒否にまで持ち込もうとする野党の反発が本当に理解できません。

確かに政府提出法案なのですから、政府はミスがないように全力で取り組むことは当然です。

当然ですが、立法府は国会です。

本来ならば、ミスがあるのかないかも含めて「審議」を経て「(政府提出法案なのか議員立法なのかは問わず)立法化」するのが国会の本来の仕事ではないでしょうか?

それを審議拒否だなんて…

国会の「本来の職責」を放棄しているとしか思えません。

国会議員に文言チェックレベルの審査能力が仮になかったとしても、政府に内閣法制局があるのと同様、国会には衆議院法制局、参議院法制局があるのですから、為念的調査をお願いすれば良いだけのことではないでしょうか?

そもそも、少なくとも建前上は国会議員は法案に目を通した上で審議に臨んでいるはず…

とりわけ野党の国会議員の方が政府原案の不備を指摘して対案を示す傾向にあるのですから、根本的間違いであれば即座に気付くはずです(実際には、政府提出法案は国会提出前に与党審査を受けるのですが、野党の政務調査会にも事前説明を必ず行うしきたりとなっております)。

あまりにも野党の反発の基礎となる論理が無茶苦茶なので、思わず書き込んでしまいました…

この気持ち、少なくとも政治行政に触れている方々であれば、共感していただけるものと思うのですが、如何でしょうか?