
私が社会人人生の第一歩を踏み出したのは郵政省でした。
三条市に出向した3年間を除けば、総務省(旧郵政省)を退職するまで、官房総務課3年、放送政策課3年、地域通信振興課半年と、郵政三事業そのものに配属されたことはなかったのですが、日本橋郵便局での1ヶ月間研修などを通じて、私の心の奥底には「自分は郵政一家出身だ」という自負が常に宿っております。
(そのような自負心を持つようになったのは、郵政省入省直前、各省庁のキャリア内定者を呼びひな壇に並ばせる田原総一朗さんの番組「サンデープロジェクト」の名物企画に郵政省内定者を代表して出席し、郵政省内定者以外の各省庁内定者全員とキャスター陣全員が郵政民営化推進の論陣を張る中、獅子奮迅(孤軍奮闘?孤立無援?)の気組みで論戦を交わしたことがきっかけだったかもしれません…)

そんな自負心に再び火が付いたのは、市長を退職して、市長時代からお世話になっている方々と選挙区内に点在する郵便局にご挨拶に赴き、中山間地域によってはいわゆる公的機関がもはや郵便局しか残っておらず、郵便局がその地域にとっての最後の砦であることを再認識してから!
調べてみると、市町村合併や各種公的機関の統廃合が進む中、郵便局数だけは、私が郵政省に入省した平成9年当時の約24,700局とほぼ変わらない局数(約24,300局)を維持しているのです。
これはまさに奇跡的なことですし、時代が一周回って、郵便局「のみ」が地域に残っていることそのものが価値を生むと私は確信しています。

例えば、行政サービス。
市町村合併によって「自分たちの地域は取り残された」と感じている方々も少なからずいらっしゃる中、市町村合併前よりも遥かに充実した形で配置されている郵便局を市町村行政のサービス拠点として本格的に活用することができるようになれば、当該地域に住む方々の利便性が飛躍的に向上するだけでなく、郵便局に対する信頼度も飛躍的に向上します。
それだけでなく、農産物などのきめ細かな集荷を農協からの委託で実施したり、或いは簡易スーパー機能を局内で付加することができれば、鬼に金棒ではありませんか!
まさに、地域住民と郵便局との(或いは市町村役場や農協と郵便局との)win-win関係そのもの!
今こそ、郵便局は発想の根源を効率化、簡素化とは真逆のベクトルに合わせるべきです。
折角、郵便局のみが縮小均衡に向かった20年近い時代の流れに抗い、約24,300局もの郵便局を維持してきたのですから!
郵便局こそ、地域の宝ですよ!