
昨日に引き続き、国立環境研究所の話題を…
環境省では、10万組の子どもたちとそのご両親を対象として、赤ちゃんがお母さんのお腹にいる時から13歳になるまで、定期的に健康状態を確認させていただき、環境要因が子どもたちの成長・発達にどのような影響を与えるのかを明らかにする調査、いわゆる「エコチル調査」を実施しております。
このエコチル調査は少なくとも10数年に及ぶものとなりますので、その間に現れてくるであろう新たな仮説にも対応可能なように、血液や尿、毛髪などの試料の提供いただき、それを国立環境研究所の管理下で厳重に冷凍保存しております。
で、なるほどな…と関心したのは、この冷凍保存の施設環境や技術を有効活用する形で、絶滅危惧種を冷凍保存して、絶滅という最悪の事態に陥ってしまっても検体そのものを次世代に繋ぐことによって可能性を切り開こうとする国立環境研究所の俯瞰的な姿勢なのです。
環境省本省でも、エコチル調査の担当部局と生物多様性の担当部局は異なっており、こうした組織横断的発想は着想しにくいものですが、それを軽々と乗り越える国立環境研究所の総合力を意識した姿勢に感動いたしました。
国立環境研究所は自慢の研究機関です!
こんな研究機関が筑波の片隅にあるということを知っていただければ幸いです。