
引き続き政務官の職を担うこととなったので分かりにくくなってしまったのですが、内閣改造前の環境大臣政務官としての最後の公務出張となった国立環境研究所についての話題を…
半日の滞在でかなり学びを深めることができたのですが、そのうち2つほどご紹介したいと思います。
まずは「CONTRAILプロジェクト」について。
大気中の二酸化炭素の測定に当たり、鉛直測定は必要不可欠なものとなっております(例えば、森林も四季に応じて二酸化炭素吸収量に差が出る(落葉広葉樹は典型ですね)のですが、その実量を知るためには鉛直測定をしなければなりません)。
ただ、この鉛直測定にはお金が掛かってしまうことが長年の課題となっておりました。
小型飛行機をチャーターして観測装置を運び入れ、離着陸を繰り返さないといけないのですから…
ただ、これは私たちの責任でもあるのですが、これを頻繁に実施して満足なデータを手に入れるほど、潤沢な予算が環境省にはありません。
そんな中、空を見上げると…
頻繁に飛んでいる飛行機があるではありませんか!
そうです、飛行機の定期便です。
この定期便の荷物室の一角に観測装置を置けば、定時定路線のデータを蓄積することができるはず!
こんな着想を得て、国立環境研究所の研究員が赴いた先が日本航空さんだったのです。
きっと日本航空さん側も驚かれたと思いますが、大変ありがたいことにご理解をいただき、今も定期便を飛ばすことで二酸化炭素データ収集にも多大なる貢献を頂いているのです。
日本航空さん、本当にありがとうございます!
こうした日本航空さんによる縁の下の力持ち的なご協力をいただいて、私たちが気候変動対策に取り組むことができていることを皆さま方にも知っていただきたく、弱小拙ブログにおいても取り上げさせていただきました。
ただ、本プロジェクトにも課題があります。
それは飛行機の機種ごとに観測装置設置に係る耐空証明を取得しなければならず、その取得に莫大な費用を要してしまうことです(現在はB777のみ耐空証明を取得済)。
世界で我が国が先駆けて取り組んだ観測方式ですが、世界各国が同様の取組を進めることができれば、より緻密でより地球規模のデータ蓄積が可能となり、世界的な気候変動対策に貢献できるはずなのですが、この辺りの理解をボーイングやエアバスからも得られれば…これは私たちの宿題となりそうです。