
ウクライナのゼレンスキー大統領の電撃的な訪日、拡大首脳会合への参加など、数々の成果を残した今回のG7広島サミット。
本サミットでは、これらマスコミに大々的に取り上げられたテーマ以外にも重要なテーマが広範に取り扱われており、そのうちG7構成国間で合意、共通認識に達したものは「G7首脳コミュニケ」に盛り込まれます。
一昨日外務省から発表された「G7広島首脳コミュニケ」の仮訳は39ページに及んでおりますが、このうち、環境省が直接的に関わる「気候」「環境」の章立てだけでも7ページ、2割弱も割かれ、また、G7広島サミット閉幕後の岸田総理による会見の冒頭挨拶でも「人類共通の待ったなしの課題である気候変動についても率直な議論を行い、気候変動、生物多様性、汚染といった課題に一体的に取り組む必要があることを確認しました。また、エネルギー安全保障、気候危機、地政学的リスクを一体的に捉え、各国の事情に応じた多様な道筋のもとで、ネットゼロという共通のゴールを目指すという認識を共有しました」と言及されるなど、環境分野もまた、かなり重要な位置付けにあったことをご理解いただけると幸いです(マスコミではあまり取り上げられなかったようなので…)。
さて、私も外務省から発表されたコミュニケ仮訳を早速斜め読みしてみましたが、省内でも「こここそ、環境省のみが取り組むことができる政策領域ですよ」と繰り返し指摘してきたことが触れられていましたので、そこだけ抜粋掲載したいと思います(コミュニケは広範な分野にまたがっておりますので、ご関心の分野だけでもご一読いただけると幸いです)。
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我々は、供給側の措置について更なる行動を取るとともに、インフラや材料の使用の変更の促進、 最終用途技術の採用、持続可能な消費者選択の促進など、需要側における更なる脱炭素化の取組の必要性を認識する。
我々はまた、地域のニーズや環境条件に基づく気候・エネルギー行動を前進させるために、他のステークホルダーやパートナーと連携した地方政府の重要な役割を認識する。
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その他、「炭素市場及び炭素の価格付け」など興味深い言及が至るところにありましたが、関心が発散しないように、敢えて「地域と暮らしの脱炭素」を標榜する環境省にとって直視しなければならない需要サイドの取組、都道府県や市町村の役割の顕在化に的を絞ってみました。