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「地域の最後の砦」郵便局を守り抜くため、私はこれまでも、①郵便局は、本来業務に加え、市町村事務やライフラインサービス、売店機能といった生活関連サービス、コミュニティ関連サービスといった公的サービスを提供する拠点(総合的公的基盤)としての位置付けを指向すべき、②そうした立ち位置に相応しい、財政(支援)措置に裏付けされた持続可能な経営基盤を確立すべき、③その際の(財政(支援)措置の)本丸は地方財政措置(特別交付税措置の創設など)なのではないか、と申し上げてまいりましたが、本件をここ暫く触れてこなかったことに気付き、中間的な形で現状を報告したいと思います。

まずは来年度予算編成に向けた動きについて。

通常の概算要求とは異なるので、自民党の部会などではなかなか情報が明らかにならないところではあるのですが、総務省に改めて確認したところ、マイナンバーカードを活用したキヨスク端末を経由しての住民票の写しなどの交付事務に伴う諸経費について、特別交付税措置の拡充ができないか、地方財政制度を所管している自治部局に要求しているとのこと。

ささやかな要求に思われるかもしれませんが、私はよくぞ要求を決断して下さったと高く評価しております。

何故ならば、今回要求している諸経費には、当該事務を行う際の郵便局員の人件費を含む運営経費が含まれているのですから!

郵便局も無償で奉仕する社会主体ではありません。

私が冒頭申し上げた世界が実現されれば、全国約24,400局ある郵便局の大半を占める2人局では、局長さんと局員さんとで、ありとあらゆる業務を引き受けて回していかなければならないわけですが、それらはそれぞれの工数ごとに委託元から相応の対価をいただかなければ、持続可能性を手に入れることができません。

そういう意味でも、今回の地方財政措置要求(霞が関的にはこの用法は不正確らしいのですが、ご勘弁を…)で、この基本的なプロトコルが確立されれば、今後のことを考えても無理がなく、理想的!

私たちも頑張りますので、要求部局の皆さん、頑張ってください!

続いて、来年度予算編成に向けた動きを通じて得られた課題を含めた「地域の最後の砦」としての環境整備に向けた動きについて。

今夏の概算要求に当たり、私なりに動いてみると、理想的な環境を郵便局が手に入れるためには、意外なネックがあることに気付かされました。

例えば、そのうちの1つが「公務員身分」問題。

民営化以降、一部特別な任務を除いて、郵便局員は公務員ではなくなりました。

それでも、法律の規定に従い、今でも手続きを踏めば、郵便局も市町村事務の一部を受託することができているので意に介していなかったのですが、そんな折、「郵便局員は公務員ではないので、マイナンバーカードの発行を代行することはできない」と考えもしなかった情報が飛び込んできました。

曰く、マイナンバーカードの発行は自治事務に相当するので、公務員である市町村職員でなければ担えないと…

マイナンバーカードの普及が一丁目一番地の政府に「地域の最後の砦」として何とかお役に立てないかと考えているだけなのに!

それだけではありません。

公務員でなければ自治事務ができないとなると、市町村合併、その後の組織統合による市町村の各支所が縮小傾向にある中、「地域の最後の砦」郵便局がその機能を最低限代替することで地域住民の生活の質を守るという、基本的な考え方が瓦解しかねません(別の解決方策ももちろんあるのでしょうが、本質的議論の軸足はここがベースかと…)。

でも、この点、今の総務省は違います!

新聞報道によれば、省内に官房長を筆頭とする「郵便局を活用した地域活性化方策検討プロジェクトチーム」を立ち上げ、この(「公務員身分」そのものに踏み込むかどうかを含めた)「公務員身分」問題はもとより、チーム名の如く、私が冒頭申し上げた環境づくりに向け、本格的な検討を開始していただいているようなのです。

この事実だけは、少なくとも、それぞれの地域で日夜「最後の砦」として奮闘されている局長さんや局員さんに知ってほしいですな…

私の知る限り、総務省は真剣に考え、しかも動いてくれています。

是非是非、心のどこかに、応援団がしっかりといるんだ、支えようと精一杯頑張っているんだ、ということを留め置きいただければ幸いです。

私も「郵便局利活用推進議連」の事務局次長として、この問題をライフワークとして取り組んでまいりますので、引き続き、宜しくお願い申し上げます。

(写真は東京スカイツリータウンにある郵政博物館。おススメです!)