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国立公園に対するイメージといったらどんなものがあるでしょう?

豊かで手付かずの大自然というプラスイメージの一方で「あれもダメ」「これもダメ」というダメダメ尽くしの縛りが強い、規制一辺倒というマイナスイメージを持つ方々も少なからずいらっしゃるはず…

かく言う私も、そんな1人でありました。

ですが、国立公園は、国立公園を担当している環境省は今、「規制オンリー」から「利活用」へと大きく舵を切ろうとしております。

その象徴たる取組こそが「国立公園満喫プロジェクト」であります。

この「国立公園満喫プロジェクト」は読んで字の如くハード・ソフト両面にわたり国立公園の利活用の最大化を図ることで、訪れていただく皆様に国立公園を満喫していただこう!というものですが、鍵を握るのは「従来からの各種規制をいかに柔軟に運用することで利活用の最大化を図り切れるのか」にあると考えています。

元来、規制と利活用はいわばトレードオフの関係。

しかも、長年、自然環境保護・保全を専ら旨としてきた自然保護官(レンジャー)を始めとする国立公園管理事務所の皆さんに何の手助けもなく、いきなり「思い込みを振り払って柔軟な運用を!」と言い放つだけでは、スムーズに規制から利活用へと舵を切れるとは思えません(もちろん、諦めずに思い込みを振り払う努力は続けなければなりませんが…)。

では、どのような方々からの手助けが必要なのか…

私はやはり市町村長をまずは頼るのが近道なのではないかと感じております。

市町村長は日々、地域住民やその代表者である議員さんと最終責任者として向き合いながら、バランスの取れた着地点を追い求める、しかも貪欲に追い求める癖を身に付けております。

例えば、現行の国立公園内に(樹木が現にある程度伐採され)道路や施設が取り付けられている以上、利活用を試みる市町村長は「これ以上、樹木には指一本触れさせない」という判断はしませんし、逆に皆伐という愚行を犯すことも決してありません。

そのようなバランスを欠いたいずれの判断をすれば、地域住民との摩擦が生ずることは必至であることを既に国立公園外で嫌というほど経験しているからです。

もちろん、全ての市町村長が完璧というわけではありません。千差万別ですから…

そうした中、今回の視察で、大山町の竹口町長と知り合えたことは本当に収穫となりました。

あのバランス感覚と利活用最大化に向けた脳漿を絞り出す思考の積み重ねを厭わぬタフさ、そして類い稀なる行動力!

大山隠岐国立公園管理事務所の皆さんは実にラッキーです。

無邪気に竹口町長を頼りにしまくり、素晴らしい「国立公園満喫プロジェクト」を編み上げていきましょう!