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私の記憶が薄れぬうちに、故安倍晋三元内閣総理大臣の国葬儀の振り返りを…

午後2時開始の国葬儀でありましたが、私たち政務官(及び総理補佐官)を乗せたバスは正午に首相官邸を会場となる武道館に向け、出発したのですが、異変に気付いたのは、内堀通りを走行中、半蔵門を過ぎ、英国大使館付近でのこと…

内堀通りの歩道が左右両岸とも人で溢れかえっているではありませんか…

更に注視すると、どうやら長い行列となっていて、英国大使館側の歩道が北から南への動きとなる行列で、半蔵門の交差点で折り返し、お濠側の歩道が南から北への動きとなっている様子。

国葬儀の一般弔問の受付会場が九段坂公園らしいので、どれだけの方々が安倍元総理に別れを告げに直接足を運んでいただいたことか…

思わず、目頭が熱くなりました(報道では、あの行列は四ツ谷駅付近を起点に始まっていたそうで、東京の地理感覚をお持ちの方であれば、それがいかに信じがたい光景であるのか、ご想像いただけるのではないかと思います)。

会場に到着すると、まだまだ開式まで1時間半以上。

私にとっては大変光栄なことでありましたが、偶然にも私の隣が日本銀行の黒田総裁だったこともあり(席は政務官グループ席内は自由席だったので、本当に偶然です)、来年新潟市で開催されるG7財務大臣・中央銀行総裁会議への私どもの期待などを申し上げたりしながら、長時間にわたる得難い黒田総裁との会話の機会を頂戴することができました。

開式後の様子はマスコミ等が十分に伝えているので加筆すべきことは少ないのですが、多くの方々が情報発信しているとおり、菅元総理の弔辞は本当に心が揺さぶられました。

菅元総理の弔辞が進めば進むほど、会場の雰囲気が一体化されていく様子は私でも充分理解できるほどでしたし、弔辞が終わった後の葬儀の場には相応しくない拍手が自然発生的に広がりを見せていったことからも恐らく、菅元総理の弔辞は会場に参列した多くの方々の心を打ったことでしょう…

(もちろん、岸田総理の弔辞も良かったのですが、やはり葬儀委員長としての抑制的なものと、友人代表として感情をかなり織り込めるものとでは比較すること自体が不自然です(もっとも、ものづくりのまちに住む者として、岸田総理の弔辞でまさか「鋳造」「鍛造」という言葉が性格を表現する言葉として飛び出してくるとは予想も付きませんでした…))

様々な巡り合わせで参加することのできた国葬儀。

「直接会場に参加できない自分の分までお願いします」という多くの皆様方からのメッセージも心に抱きつつ、安倍元総理に手を合わせてまいりましたが、せめて私から見た光景をそうした皆さまと共有できればと書き綴ってみました。